What's Hypnosis? ヒプノシスとは?
ピンクの象さんのことを考えるな! と言われると何が起こりますか? そう、あなたはピンクの象さん以外のことは考えられなくなります。これは意識マインドの作用です。ヒプノシスは無意識のマインドに働きかけます。そこではよりたやすくこちらのサジェスチョン(暗示)が受け入れられます。そして、それはとてもパワフルな作用をおよぼします。
ヒプノシスは一般的に催眠療法と訳されますが、その領域の広さはひと言では説明がつかないほどです。
Dr.エリクソンのヒプノシス Dr. Erikson's Hypnosis
Milton H. Erikson(ミルトン・H. エリクソン)(1901年12月5日ー1980年3月25日)は、天才的な催眠療法家としてあまりにも有名です。精神科医で心理学者でもある彼は、幼い頃からポリオという難病を抱えていたにもかかわらず、病いと闘い、可能な限りの働きかけをしてきました。彼が編み出したユニークな技法の数々は、車椅子の生活の中で人々を非常に良く観察してきたことが役立ってきたと言います。彼は困難さを肯定性に変えて行く技を自らの人生に応用してきたのだと思います。
「治療に抵抗するクライエントなどいない。柔軟性にかけるセラピストがいるだけだ」という言葉が示すように、彼の技法は「ユーティライゼーション(Utilizationーー活用(利用)できる物はなんでも使う)」というもので、その自在性に人々は驚かされるのです。
エリクソンは彼の技法を人に教えることはしなかった、あるいは、できなかったと言います。それは彼の技法があまりにも独特だったことと、「クライエントごとに異なるアプローチをすべき」という信念が示すように、彼の技法を体系化することが難しかったのです。それでもエリクソンに影響を受けた共同研究者たち、特にグレゴリー・ベイツン、ジョン・グリンダーは長年エリクソンの技法を見守り続け、研究に研究を重ねて、ヒプノシスの体系をまとめあげたのです。
グレゴリー・ベイツン/ジョン・グリンダーの著書”Trance-formations”は、日本語に訳され、「催眠誘導」というタイトルで星雲社から出版されている。

トランス誘導とは? what's trance?
トランス誘導というテクニックはさまざまな用いられ方をしますが、基本的に「意識マインド」を不活発にし、「無意識マインド」に働きかけるために用います(意識マインド、無意識マインドというものが実際に存在するわけではなく、あくまで仮定して話しています)。
意識マインドは何をいつ、どのようにしていくことが有効かの判断、分析などを行いますが、無意識マインドはより幅広い領域のことにかかわっています。たとえば呼吸をすること、心臓から血液を送り出してからだの中を循環させるなどや、一瞬ごとに変わりゆく状況の中で、多種多様の情報を受けとったりしています。空気の匂いや温度、目に入ってくる光の具合、音が示す危険信号など...もしもそれらのすべてを意識的にするとしたら、とんでもないことになるでしょう。
意識マインドは、過去の体験を通して学んだことを蓄積していきますが、まだ学んでいない未知のことに対しては無能です。たとえば、ある人がある問題について「できることは何でもやってみたし、自分なりに懸命に努力もした」「でも、もうこれ以上どうして良いのかわからない」と言うとき、彼は何を言っているのでしょう? そう、彼が言っているのは、彼の意識マインドにわかる領域のこと、それが知っていることに関してはすべて試みた、もうお手上げだと言っているのです。
そこでトランス誘導では、意識マインドに今しばらく休むように言い、無意識マインドとワークしていきます。無意識のマインドは基本的に私たちを守るために働いているので、どんなふるまいをするにしろ、そこには肯定的意図があります。ゆえに、何であれその肯定的な意図を満たすことであれば、新しいふるまいを探し出して試みてみようとする傾向があるのです。
わかりやすくするために例をあげます。たとえば、タバコをやめたいと思っている人がいるとします。彼は意識的にできることは何でも試み、できるかぎりの努力はすべてしました。でもやめられないのです。そこで無意識のマインドに尋ねてみると、タバコをやめることで、ともだちの輪に入っていけないと思っていることが見えてきました。もちろん彼はそのことを意識的には知らないのです。無意識のマインドの肯定的意図は「ともだちの輪に入る」です。そして、私たちがみちびくのは「タバコをやめてもその意図を満たすことができる新しいふるまい」を見いだすことです。
無意識マインドはその人のリソース(資源、能力)へのアクセスを持っていて、そのかぎりないリソースから新しいふるまいを見つけだしてきます。それは創造力の宝庫なのです。
「水に浮かんだ氷」の図でよく表現されますが、水面に浮かんでいる方が意識マインド、水面下が無意識マインドの領域です。意識マインドの作用は全体の5〜7%だと言われています。
意識マインドと無意識マインドの間に橋をかける
Find a bridge between conscious and unconscious mind
ヒプノシスのすばらしいところは、意識マインドと無意識マインドとの間をつなぐ橋を見いだせることです。意識マインドと無意識マインドが別々なままでは、心はバラバラで落ち着きません。ヒプノシスでは無意識化で見いだした事柄、たとえば新しいふるまいなどを意識に伝え、それが実際の生活の中で役立つかどうかを試してみようという提案をします。そこで私たちは無意識の中で見いだしたことを日常で実行してみて、それが有効かどうかを体験的に見守ることができるのです。
このことは、タロットや数秘リーディングの際にリーダーが直感で得たことをクライアントに伝える作業を思い出させます。リーダーは相手の無意識化にあることを示すカードや数を直感的に読み取り、それをクライアントに実生活の中で試してはどうかと示唆します。この時クライアントはある種のトランス状態にいますから、そこで与えられる暗示を受け入れやすくなっています。
こんなふうに、ヒプノは他のさまざまなワークのベースとして用いるのに有効なツールだとも言えます。
昨年のトレーニングの参加者は半数以上がプロのセラピストの方たちでしたが、ヒプノシスはセラピーの基本技術としてマスターしておくべきツールだと言えるでしょう。
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